数年前、スバル レガシィのBP型を中古で大体100万くらいで買った、現在も乗ってるので正確には供養ではない(後述)。
最近まで、乗り物買うなら中古を10万位で、と決めていた。10万なら全損しても悔しくないので、気をつかわずに使えるという理屈だ。新品信仰みたいなものはないし、10kmも走れば中古車だし、つまり中古の方がコスパが良いし、機械は必ず壊れるのだから「ハズレの新品より、直しきった中古」のほうがよいと思っている。そもそも、乗り物(つまり機械)を直すのが好きだったので、むしろぶっ壊れてるくらいでちょうど良い。
見た目にもこだわらないので、歴代のバイクは外装はいくらボロボロでもいいからエンジンの調子が良いもの、フレームの錆びていないモノをえらんでいた。
しかし、前述の通り100万のレガシィを買ってしまった。
その前は、フォルクスワーゲンのゴルフ3ワゴンに乗っていた(今やゴルフは7代目の時代である、4代前である)。ギリギリ旧車ではない、という風体だった(本当に風体だけで、中身はゴルフ2と大差なかった)。こいつはヤフオクで10万だった、年式相応ではあるがボロボロで安い、冗談で「ボロクソバーゲン」とか呼んだりした。
ゴルフ3は機械としては本当に丈夫で、ラジエータ周りがぶっこわれて冷却水がほとんど抜けても焼き付きなどせずに走れたし、奥さんがトラックにぶつけても走れたし、スタータのギアが砕けても交換すれば良いだけだった。
修復歴ありで調整してもちょっとばかりまっすぐ走らなかったが、別に気にはならなかった。さすが欧州車であり、非常に安心して高速を走ることができる車だった。この車種は名車といって間違いないだろう。
しかしまあ、丈夫といいつつ、本当によく壊れるのだ。壊れるけど、直せるのだ。直せるのだが、高いのだ。
壊れたモノを直すのが好きな自分にはちょうど良い車ではあったが(パーツも、山ほど出ていたし)、しばらくして自分で直すより、頼んだ方が(工具や手間賃考えると)安くて早いことに気付く。八王子にはゴルフ専門店があり、そこに頼むと大体安く直してもらえる、何回もお世話になった。
しかしながら、数年前の夏、クーラーがぶっこわれた時に見積もりを色々算段すると、元の車が何台も買える程度には(まあ元が10万だからね)修理費用が掛かっていることに気付き、買い換えを決意したのだった。
自分は当時サーバーを積んで移動する事が多かったので、買い換え後もワゴンであることは必須要件であり、さらにゴルフがハイオク指定の癖に兎に角パワー不足(といっても主観です)だったので、なんとしても250ps以上は欲しかった。
壊れにくい国産車で、ハイパワーワゴンで探すと、自ずと選択肢は限られた。総合的に安いカルディナと迷ったものの、ショック等の交換をしてしまいそうなカルディナより、最初から足回りがよく、見た目でも勝るレガシィに決定した。
しかしまあ、人気のレガシィである。予算は10万ではどうしようもないことは自明であった。自分の縛りを一気に10倍にした。100万である。たいしたことないといってしまえばたいしたことはないが、自分は安物好きだったので、自分のタガがはずれるようであり、良い気分はしなかった。
さて、買い換えは成功だった。勿論、レガシィとゴルフ3を比較するなんておこがましいが、レガシィはとにかく壊れなかった。いや、こわれているんだけど大した所はこわれない。一番大きく壊れたのは新東名をとばしていたら、エキマニのボルトがはずれて、加給がかかると直管のような音がするようになった位だった。こんなのは自走できるし、ディーラーにもってったらタダでボルトをつけてくれた。他は消耗品とか、プラ部品が割れたとかそういう所であり、直す気にもならない。
スバル車はやたら壊れると周囲から大評判だったが、俺からすれば完全にメンテフリーかつ故障ゼロの車としか表現ができない(BPまできて、大分マシになっていたというのもあるが)。最高の車である。
色々壊れる車などにのって思うのは、壊れない国産車が最高だと思う。外車は中古車市場でクソ安く手に入るが、数年で必ず駄目になるゴムパイプ一本2万とか頭がおかしいのであり、中古で買って一度も直さないで捨てるくらいの勢いでないと結局高くつく(勿論、値段よりも車体は良いモノなので、中途半端な自動車に乗るよりは体験としては良い)。
わりきるにしても、「壊れてるのが普通」「ここはこわれててもかまわない」「車検の時だけ直す」というのは(自分はいいんだけど、奥さんとかには)よくない。
まあ、そんなの思い入れがあれば大した事は無いのだが、自分はゴルフ3にそこまでの思い入れはなかった。
さて、そんな快調なレガシィだが、ついに総走行距離が10万キロになった。レガシィは10万キロのメンテナンスサイクルでタイベル周りとウォーターポンプ周り一式を交換するのが基本らしい。
タイベルの様子を見ながらギリギリまで乗ったって良いが(最近のタイベルが10万キロで切れるなんて聞いたことない。勿論外車は別だが)、いかんせんレガシィはウリの水平対向エンジンで恐ろしくメンテ性が悪い。ベルトもみづらいし、全部が剥き出しだったゴルフにくらべるとエンジンカバーも付いていて、個人がメンテするのを拒否しているように見える。
プラグ交換の工賃が数万するレガシィは極端とはいえ、国産車のこういう所はあまり好きにはなれない…な…。
まあ、結果として私のような半可通の素人が「壊さず」に済み、そのお陰でメンテフリーなのだといわれればそこまでなのだが。
後、最近は仕事が完全にクラウド化したので、データセンターにサーバーを運ぶ機会がない。つまりワゴン車である必要性が薄い。もっと好きな車に乗ることもできるなあ、そろそろ乗っておかないと乗れなくなるんじゃないかなあ。
とか思う今日この頃であり、供養の日も近いかも知れない。
GTR(<=34)が10万くらいで売っていたら買おうかな。