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好きだった文房具の思い出

分度器。
この道具がなぜ透明なのか、理由がわかる安心感があった。
子供の頃は、全ての要素に必然的な理由があるのだろうと思っていたので、だから、たとえば床のタイルとか、なんでこのパターンなんだ? ところどころ混じってる薄いピンクのタイルには何の意味があるんだとか? とか、わからないことへの不安があった。タイルがところどころピンクな理由がわからないせいで、とんでもない事故を犯して死ぬんじゃないか、みたいな不安というか恐怖があった。

その点で分度器は、理由がわかって安心だった。あと、形状が比較的あぶなくない点も好きだった。三角定規は何かの拍子に刺さって死ぬんじゃないかという怖さがあった。

捨ててしまったかどうかも定かでは無いが、もうずっと見かけない。