大学に入る前の生活費を貯めるための最後の地元でのアルバイトでもらった賃金を貯めて中古で買った。
2010年12月にやってきて2013年の11月に新しいカメラを買うまでおよそ3年弱のあいだ、いろんなところへ持っていって写真を撮った、実に思い出深いカメラである。
冬の北海道はとても寒く氷点下まで下がる一方で屋内は暖房がよく効き断熱が行き届いているので寒暖差が激しい。
厳冬期の北海道に数時間持ち出したかと思えば、考え無しに自宅に持ち入れたり、かなり荒い使い方をしてきた。
にも関わらずこのカメラはずっと動き続けてきてくれているし、厳しい環境に飛び出していったときも先に音を上げるのは決まって自分だった。
新しいカメラを買ってからはめっきり持ち出すことがなくなったが、流行り廃りの激しいデジタルカメラの世界において5年も前のカメラはもはや値が付かないので手放すのもどうしたものかと悩むほどである。
たまにシャッター音の違いを感じたい時、家の中の風景を捉えるという余生を送っている。